OCA50 全自動接触角計
- 複数液体自動滴下(シリンジとニードルの間にチューブを介しない)
- XYZ電動ステージ、ウエハー用自動回転ユニットオプション
- 自由度の高いマッピングソフトウエア
セミナー情報はこちら
OCA50はXYZ軸電動ステージを持ち多点全自動測定が可能です。R軸回転の電動ウエハーテーブルを使用すればウエハーのぬれ性マッピングが行なえます。
アプリケーション
〇測定の省力化
〇シリコンウエハーマッピング
〇多点表面自由エネルギー測定
OCA50
OCA50はOCA25にXYZ軸電動ステージ機能を付加したものです。各種アタッチメントによる拡張性に加え、多点全自動測定も可能になります。R軸回転の電動ウエハーテーブルを使用すればウエハーのぬれ性マッピングが行なえます。電動シリンジも4本(オプションで6本)まで制御できるので、組み合わせにより表面自由エネルギーも自動で測定できます。タッチパネルは電動アクセサリを手動操作のように取り扱うことができ便利です。
接触角とは
固体表面に液体を滴下すると下図のような形で平衡に達します。 この状態ではヤングの式(静的状態での界面に働く力の釣り合い)が成り立ちます。 この時の固体表面と液体とが成す角度を接触角と言います。 一般的な接触角計では、固体表面に液体を置き、横から光を当てます。この時の液体の影をカメラで撮影します。この影を画像解析し、接触角を算出します。
静的接触角
一般的な接触角測定法です。 着滴させる液量を決め液滴を固体表面に載せ測定します。親水性、撥水性、撥油性など表面のぬれ性と相関します。実際のインクと基材を用いて液体と固体の相性を評価します。 フィッティングは円、楕円、ラプラスヤング(重力の影響を考慮)を選択することができます。ベースラインは、直線、円、楕円を設定可能で、繊維状、筒状のサンプルも測定できます。
動的接触角
接触角の動きを連続して捉えます。 ぬれ広がり・染み込みの評価が可能です。
滴下ニードルを固体表面に近付けた状態で液体を吐出・吸引させることにより、動的な接触角を測定することができます。固体と液体の界面が拡張するときの角度は前進角になります。逆に液体を吸引したとき、固体表面と液体の付着力が高いものだと、吸引直後は端点が動かずに接触角が小さくなっていきます。接触角がある程度小さくなると、端点が動きます。この時の角度が後退角になります。また、前進角と後退角の差(ヒステリシス)を見ることで、一度濡れた固体表面と液体の付着性を評価することができます。滑落角
OCAシリーズにTBU-100ユニットを追加することで、滑落角の測定が可能です。TBU-100は装置全体を傾けるため、カメラで撮影される固体のベースを動かさず測定ができます。超撥水表面の効果測定などに有効です。
表面自由エネルギー
極性成分及び分散性成分が分かっている2種類以上の液体を用いて、表面自由エネルギーを算出することができます。表面処理効果の解析や固体の性状を把握することで塗料や接着剤の最適化に役立つ情報を得ることができます。
微小液滴
OCAシリーズは、標準のダイレクトシリンジ滴下システムにナノ滴下バルブを取り付けるだけで簡単に微小液滴下システムに拡張できます。より微小液滴で測定したい場合は、ピコドロップ滴下システム PDDSを拡張できます。
・PDDSピコロドロップ滴下ユニット 滴下量:30~380pL
・ナノドロップ滴下ユニット :滴下量 10nL
・ダイレクトシリンジ滴下ユニット :マイクロリットルオーダー 動的接触角測定
温度制御
様々な温調ユニットがあり、最大1800℃(真空時1450℃)までの測定が可能です。溶融金属やポリマーの研究、ホットメルトのぬれ評価などにご使用頂けます。また、湿度制御ユニットも取り揃えており、湿度による表面状態の研究にご利用頂けます。
湿度制御
生体由来の材料などは、湿度により表面状態が変化します。HGC30により一定湿度環境下で、再現性を向上させることができます。また湿度を可変させることで、接触角の湿度依存性を評価することができます。
トップビューシステム TVS
今まで測定できなかった くぼんだ部分の接触角を測定することができます。これにより、部品が組み立てられたプリント回路基板などを測定することができます。
ソフトウェア
OCAシリーズの接触角計用総合ソフトウェアdpiMAX は、革新的で使いやすいソフトウェアです。
dpiMAXはすばやく測定し、結果を簡単に分析、データを直感的に検索できます。
PDDS ピコドロップ滴下ユニットを使用した測定例
生体親和性材料の評価
人工骨や人工関節、カテーテル、歯科材料インプラントなど人体に埋め込む医療材料は、細胞と馴染む必要があり、接触角を管理することは非常に重要です。これらの医療材料は小型化が進んでおり、微小領域での接触角測定が要求されています。OCA200 + PDDSでは、ピコリットルの極微量の液体を滴下し、μmオーダーの微小領域が測定できます。
インクジェット、導電性金属インクの濡れ性の評価
プリント基板の回路形成などに使用される金属インクを測定した例です。下図では10Hzでポリマー表面にインクを滴下し、自動ステージを一定速度で移動させて接触角測定を行いました。一連の動作をビデオ撮影することでソフトウェアにより接触角を計測することができます。形成された液滴画像は、個々の液滴体積(約300pl程度)が一定で、接触角形状が非常に高い均一性を持っていることを示しています。インクはポリマー表面で平均接触角36.3度でした。この接触角は、インクと基材の間の適合性を最適化する際の重要なパラメータになります。接触角が小さすぎると液滴が広がり、印刷画像が不鮮明になります。接触角が高すぎると直線の電気回路線を作るのが難しくなり信頼性が低下します。
仕様 | OCA50 | OCA15EC | OCA200/PDDS | OCA50 | |
---|---|---|---|---|---|
接触角 測定範囲 | 0-180° | 0-180° | 0-180° | 0-180° | |
接触角 精度 | ±0.1° | ±0.1° | ±0.1° | ±0.1° | |
接触角 分解能 | ±0.01° | ±0.01° | ±0.01° | ±0.01° | |
表面/界面張力 測定範囲 | 0.01~2000 mN/m |
0.01~2000 mN/m | 0.01~2000 mN/m | 0.01~2000 mN/m | |
表面/界面張力 分解能 | ±0.01mN/m | ±0.01mN/m | ±0.01mN/m | ±0.01mN/m | |
表面自由エネルギー | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
液架橋解析 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
オシレーション/緩和 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
トップビュー | 〇 | × | 〇 | 〇 | |
サンプルステージ | 電動 X-Y-Z | Z軸手動 スライディングマグネチックベース | 電動 X-Y-Z | 電動 X-Y-Z | |
ステージ移動距離 | [X]100×[Y]105×[Z]50 mm | [X]110×[Y]90×[Z]42 mm | [X]100×[Y]105×[Z]50 mm | [X]100×[Y]105×[Z]50 mm | |
最大サンプル重量 | 10kg | 3kg | 10kg | 10kg |
オプション | |||||
---|---|---|---|---|---|
温度コントロールチャンバー | -30~+700℃ | -30~+700℃ | -30~+700℃ | -30~+700℃ | |
ニードルヒーター | RT~+700℃ | RT~+700℃ | RT~+700℃ | RT~+700℃ | |
湿度コントロール | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
滑落角 | 電動 / 手動 | 電動 / 手動 | 電動 / 手動 | 電動 / 手動 | |
ナノドロップ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
ピコドロップ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
- 比較する:
- OCA15EC
- OCA200/PDDS