測定の目的
工業材料をはじめとするあらゆる分野において液体と固体のぬれ性はその製品の品質に大きな影響を及ぼします。コーティング剤や塗料あるいは接着剤の場合、塗料のハジキやひけなどうまく塗布ができなかったり、塗布後の剥離といった不具合を招くかもしれません。
ぬれ現象へのアプローチ
ぬれ現象は液体と固体の相互作用であり、固体と液体を直接的に接触させる方法が古くからあります。ここでは様々なサンプルのぬれ性評価に最新技術を使用したアプローチを紹介します。
装置の選択
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1
インプラントのぬれ性評価
インプラントのように生体に使用する材料においてぬれ性は重要になります。シリンジを使用し着滴する方法はもちろん、ナノドロップ、ピコドロップといった滴下ユニットを利用し、微小領域のぬれ性を評価することができます。
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2
繊維のぬれ性評価
繊維上に微小滴を落とす方法もありますが超高精度天秤を使用すれば液体に繊維を挿入したり引っ張り上げたりすることで生じる重量変化から液体との動的接触角を測定することができます。また、繊維を束にして毛細管現象を利用し、濡れて液体が上昇する挙動をとらえる方法もあります。
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3
撥水面への液体の付着評価
固体に液体を直接接触させ引きはがすときの付着挙動を高精度天秤を利用し測定できます。カメラでの観察を同期させることで、重量変化と形状変化から付着挙動にアプローチできます。