PSL-100 色素増感太陽電池評価装置
- 電子寿命・電子拡散・電子密度・I-Vカーブ測定
- 色素増感太陽電池(DSC)評価に新装置登場
- 材料の開発指針が得られるので開発過程の促進に活用
従来、色素増感太陽電池(DSC)に用いる材料を開発するうえでの評価は、”太陽電池”として組み上げた際の電気的性能からおこなわれることが主でした。
太陽電池の変換効率を向上させるためには短絡電流(Isc),開放電圧(Voc)を向上させる必要があり、特にDSCでは電池内部の電子移動特性がこれら性能向上に深く寄与することが知られています。
もしDSC多孔質電極内部の電子移動過程を調べることができれば、より詳しく材料の開発指針を得ることができ、開発過程を促進することができます。
電子寿命拡散測定装置”PSL-100″は、SLIM-PCV(Stepped Light-induced Transient Measurements of Photocurrent and Voltage)法の測定理論に基づきサンプルセルレベルにおけるDSCの電子移動特性、”電子拡散係数(D)”及び”電子寿命(τ)”を測定します。
太陽電池を構成する材料や作製プロセスの差異に応じて電子拡散係数及び電子寿命傾向の違いを調べることができますので、より詳細かつ効率的な研究を行うことができます。
電子拡散係数
電子が再結合するまでに移動することのできる距離。 すなわちこの距離が膜厚より短ければ、全ての光電子を取り出すことができない。電子拡散長は電子拡散係数(D)と電子寿命(τ)を用いて、 L(電子拡散長)=√D・τ と表すことができる。
電子拡散係数
酸化チタン中での電子の移動度を表わせる
電子寿命
酸化チタンに注入された電子が色素やI3-へ再結合するまでの時間である PSL-100の測定 酸化チタンに注入された電子が色素やI3-へ再結合するまでの時間である PSL-100の測定
電子密度
色素増感太陽電池(DSSC)内に溜まった電荷を測定
励起光源波長オプション
近年、DSCの研究 開発では様々な色素が用いられるようになり、測定に用いられる励起光源波長のニーズも多様化してきました。PSL-100ではこれらニーズにお応えするた め、標準の”660nm波長レーザ”に加え、より短波長側となる”473nm波長レーザ”をオプションとして新たにご用意致しました。今まで660nm波 長域での励起が不安定で測定を諦めていたようなセルなど、是非お試しください。 下図は”660nm”,”473nm”双方の励起波長域に吸収を持つ色素をTiO2電極に吸着させたDSCセルの測定結果例です。 半導体電極の吸光度が小さい場合、測定にどちらの光源を用いても同様の電子移動特性が得られることが判ります。*3 このことは、励起光源波長の異なるデータ間であっても、同じ励起密度(電子密度)による相対比較評価が可能であることを現します。
仕様 | PSL-100 | PSL-100 |
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