嚥下困難者に向けた食品の測定

テクスチャーアナライザーと嚥下食

テクスチャーアナライザーではロードセルと呼ばれる荷重を測定するセンサーに治具を取り付け、その治具でサンプルを押したり、引っ張ったりしたときにかかる荷重や応力を測定することにより、硬さ、付着性などの評価を行うことが出来ます。近年市場が拡大しつつある嚥下困難者向けの食品の規格分類において、このテクスチャーアナライザーでの測定値が使われています。

嚥下困難者に向けた食品について

高齢や病気により噛む力や飲み込む力などの嚥下機能が低下すると、食事中にむせたりのどに詰まらせて、窒息や肺炎の原因となる危険性が出てきます。そこで、嚥下機能が低下した人でも安全に食べられるように、とろみをつけたり、ペーストやゼリー状にするなどの工夫を加えた食事を嚥下食といいます。平成28年の調査で、日本は高齢者(65歳以上)が総人口に占める割合が過去最高の27.3%とであることが分かりました。この割合は昭和25年以降一貫して上昇が続いており、今後も増加していくと考えられています。高齢者の増加に伴い、嚥下障害者も増加していくことが予測されます。日本では、特別用途食品をはじめとした嚥下食に関する規格が複数制定されています。

嚥下食に関する規格

  • 1

    特別用途食品 えん下困難者用食品

    「えん下を容易ならしめ、かつ誤嚥及び窒息を防ぐことを目的とするもの」として、消費者庁が定めた規格です。測定に使用する専用のカップとプローブもご用意しております。

  • 2

    ユニバーサルデザインフード

    日本介護食品協議会が定めた規格。この規格において、「ユニバーサルデザインフード」とは、利用者の能力に対応して摂食しやすいように、形状、物性および容器等を工夫して製造された加工食品および形状、物性を調整するための加工食品をいいます。

  • 3

    スマイルケア食

    介護食品の市場拡大を通じて、食品産業、ひいては農林水産業の活性化を図るとともに、国民の健康寿命の延伸に資するべく、これまで介護食品と呼ばれてきた食品の範囲を整理し、「スマイルケア食」として新しい枠組みを整備しました。

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