本ページでは、B型粘度計の精度や再現性、作業効率を向上させる機能について紹介します。
- 粘度測定の精度を上げるために使える機能
- 測定再現性の向上に役立つ機能
- 便利な機能
- ソフトウェア
1. 粘度測定の精度を上げるために使える機能
1-1. 測定値が安定するのに時間がかかる
→ タイマー機能
タイマー機能搭載モデルでは、測定時間を設定し、自動で測定を終了します。
(データ取得イメージ)
(測定イメージグラフ)
● 測定中に常に粘度計のそばにいる必要もありませんので、測定に別の作業を行うこともできます。測定粘度値が安定する時間がある程度わかっている試料を測定する際にお奨めの機能です。
1-2. 測定値が安定しているのか分からない
→マルチポイント機能
一定の時間間隔で測定値を取得する機能です。時間に対する粘度値の変化を追跡する際に有効です。
(イメージ)
(測定データイメージ)
値が安定しているのか、測定終了後でも確認することができます。
→グラフ描画機能
DVNextモデルでは、測定中に測定値の変動を液晶画面に描画します。
画像
このグラフ描画はデータを取得している・いないに関わらず測定中は常に表示されますので、値が安定しているか視覚的に確認することができます。
1-3. ある程度の幅を持ってばらつきがある
→ 平均値機能
大きな粒子を含んでいたりすると、粗大粒子がスピンドルに接触しているか否かで測定値がぶれてしまうことがあります。このような場合、測定値を任意の時間における平均値として取得することもできます。
イメージ
(測定イメージ)
1-4. 回転数を変えると粘度値が変わる
→ ステップ測定機能(回転数を変更するプログラム)
液体の粘度を計測する際に、測定する速度を変えると粘度が変わってしまう液体があります。このような流動様式を総称して非ニュートン流動といいますが、このような液体の粘度・流動特性を評価するには、速度を変えて粘度を計測する必要があります。
※測定速度を変えても粘度値が変わらない流動様式をニュートン流動といいます。
プログラム機能を用いて測定することで、1回の測定で複数の回転数の粘度値を取得できます。
測定例
1 →2→・・・・10 rpm 各1分
速度×粘度
時間×粘度
安定を待ってからデータ取得していることを確認できる
非ニュートン流体の粘度を比較するには、『どの速度で計測したのか』の情報が必要になります。
2. 測定再現性の向上に役立つ機能
● 温度の安定
→ステップ測定機能(ステップ測定アイコン)
● 他の装置との測定値の互換性
詳細はリンクをご覧ください
● サンプルの入れかたで値が変わる
かき混ぜ方で測定値が変わる、時間の経過とともに粘度が上昇するなど、特に高粘
度のサンプルにみられる症状です。解決策はリンクをご覧ください。
3. 便利な機能
これからは、粘度測定においてもあらゆる場面でデジタルによるデータ管理が求められるようになります。Brookfield粘度計では、お客様のニーズに合わせて測定条件の保存、測定結果の保存、アウトプット機能が搭載されています。
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- 測定プログラムの保存
- 測定結果の保存
- 内部メモリへの保存
- USBメモリへの保存
- CSV形式へのエクスポート
- プリントアウト
- 温度表示
- QCモード
ユーザー管理機能
● データインテグリティ(DI)対応
ユーザーアカウント毎にアクセス権限の制限、パスワード管理、監査証跡管理など、データインテグリティに対応した機能を搭載したモデルをラインナップしています。CFR21 Part11にも対応しているため、製薬、食品、化粧品などの業界の品質管理用途にもご利用いただけます。
使いやすい機能
● タッチパネル
使いやすい感圧式タッチパネルを搭載しており、操作しやすいインターフェースに設計されています。
測定中は粘度、回転数、トルク、温度、(せん断速度、せん断応力)を表示します。DVNextモデルでは測定中のデータの軌跡をグラフ中に表示します。
● プログラム
使用するスピンドル、回転数、データの取り込み方、ステップの変更タイミングなどの条件をプログラム化し保存出来ます。保存した測定プログラムは呼び出すこともできます。
● 日本語対応
タッチパネルは複数の言語に変更可能で、日本語にも対応しています。
4. ソフトウェア
PGFlash
DV2T用プログラム作成用ソフトウェアです。PC上で作成したプログラムをUSBメモリに保存し、USBメモリを粘度計本体に挿し、プログラムを呼び出すことでプログラム測定ができるようになります。
RheocalcT
DV2T/DVNextモデルでは、オプションソフトウェアRheocalcTを使用することができます。RheocalcTソフトウェアは、PC側で測定プログラムを作成し、測定開始の指示、データ収集を自動で行います。測定データはデータベースで管理されるため、測定データの保存漏れや改竄が出来ない仕様となっています。
エクセル出力やPDFレポート出力にも対応しており、データインテグリティに関する機能も備わっています。
WingatherSQ
DV1Mモデル用のオプションソフトウェアです。DV1Mから測定情報を受け取り、データ化することができます。