従来、気象観測システムを構築するには計測項目に合わせて各機器を取り揃え、計測点数及び出力方式に応じた記録装置(データロガー)を用意する必要がありました。英弘精機で取り扱っているLufft社製複合気象センサーWSシリーズでは、一台で複数の気象観測項目を同時に計測ができ、効率よく、コンパクトな観測システムの構築を実現することができます。
複合気象センサーWSシリーズは、様々な使用用途に合わせた計測項目や、予算に応じて機器タイプ(計測項目)を選択することができます。また、既存のシステムへの組み込みにも対応が可能です。例えば、アナログ信号のみを受けられる記録装置を使用している場合、専用の信号変換器を利用することで電圧信号または電流信号として出力させることができるようになります。
こうした様々な事項が複雑に関与し合う問題については、複数のデータを同時に観測・収集できるシステムが要求されます。複合気象センサーを利用して風向風速、気温、湿度、気圧、雨量、日射量を一括して計測し、さらにネットワークシステムを構築することにより、多地点の情報を簡単に収集できるようにしました。
この他、工場からの排ガスや粉じんの拡散の状況をモニタリングするためのシステムや材料暴露試験の気象データ取得の用途として導入された実績があります。
国内では、海外と類似する用途の他に農業・畜産分野においてハウスや畜舎周辺の気象状況を観測し、栽培や生育に適した環境にするための自動制御に必要な情報を本製品で取得しています。特に農業分野では植物の生理生態現象を捉えるセンサーも組み合わせ、収量増加や病害虫による問題を減らすような取り組みにも利用されています。
複合気象センサーWSシリーズは、デジタル信号のRS485(半二重方式)でパソコンと接続し、専用ソフトウェアを介して計測機器の設定やデータ送信、リアルタイムでのデータ確認が可能です。瞬時値、平均値、最大/最小値の他、算出値として出力ができ、出力したいデータ項目や計測単位を項目に合わせて設定することができます。
設置は、単管パイプなどのポールがあれば、付属のU字型ボルトを使うことでどこにでも設置可能です。温湿度及び気圧計測部は強制通風筒式となっているので、常に高精度なデータを取得できます。また、内蔵のヒーターにより、凍結や着雪などの影響を最小限に抑える設計となっています。ヒーターを必要としない環境でのON/OFF設定や、起動制御機能の調整により、消費電力を抑えることもできます。
初期設定では本製品独自のバイナリー形式による信号出力となっています。一方で、使用環境やシステムに応じてASCIIやModbus、SDI-12などの信号形式へ変更や、通信速度(Baud Rate)も変更することができます。
複合気象センサーWSシリーズ全タイプは、可動部が無く、摩耗による破損などが生じにくい構造になっています。定期的なメンテナンスを実施することにより、より長く、高精度な計測を実現することができます。また防水・防塵規格としてIP66の保護加工が為されているので、水がかかりやすい場所、砂ぼこりが多い場所でも安心して使用することができます。
新規システム構築及び既存システムへの組み込みや、本製品に関する詳細につきましては、下記までお問い合わせください。
製品ページ:
https://eko.co.jp/products/environmental_measurement/all_in_one
オンラインミーティング:
https://calendly.com/uchibori-takashi/environment_products?month=2020-09
[1] Lufft. (2020, 9 10). New network of weather stations in Sheffield. Retrieved from https://www.lufft.com/projects/new-network-of-weather-stations-in-sheffield-562/