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20255/29
お知らせ 環境計測

高機能LIDAR観測による洪水予測精度向上への取り組み

LiDARプロジェクト進捗共有|2025年5月26日 東京都

英弘精機株式会社は、上空の水蒸気と気温観測技術の高度化による降雨予報改善と洪水予測精度の向上を図る研究を国プロのBRIDGEを通じ実施中でありますことご既承の通りです。本取り組みは、内閣府が推進するBRIDGEプログラムの一環として、九州大学をはじめとする日本国内の研究機関と研究共同体を作り進行中です。

2025年5月19日、研究共同体は「BRIDGE洪水予測セミナー」をJF新宿御苑ビルにてセミナーを開催。オンラインも含め研究者との情報共有セッションを実施致しました。本セミナーでは、大規模降雨や線状降水帯の予測に不可欠な水蒸気と気温の観測技術に関する最新の研究成果が紹介され、産学官の専門家が一堂に会し議論が行われました。

 

主な講演内容

  • Spuler(米国NSF NCAR)

   半導体レーザーを用いたDIAL(差分吸収ライダー)による大気下層の熱力学プロ

ファイリング技術の進捗

  • 矢吹 正教 先生(京都大学生存圏研究所)

   UV-CラマンLIDARによる線状降水帯上流側での連続観測の成果

  • 清水 慎吾 先生(防災科学技術研究所)

   2024年6月24日の南九州の降雨事例に基づく、水蒸気・気温LIDAR観測値の

同化データ結果がより正確な降水予測に繋がる可能性事例を紹介

それら講演に加え、これらの優れた技術を活かした社会実装やビジネスモデルの可能性や、ユーザー目線での応用の可能性についても活発な討議が行われました。

 

プロジェクトの進捗:DIAL(差分吸収ライダー)開発のプロセス

 

弊社は、Lidarの社会実装をより高い競争力をもって進める一環として、2025年5月15日より長崎県福江島において、米国NSF NCAR所有の**マイクロパルス差分吸収LIDAR(DIAL)**システムによる3か月間の観測を開始致しました。

この取り組みは、BRIDGEを通じて設置・観測中のRaman LidarとDIALの水蒸気と気温の鉛直プロファイルデータ比較を目的としております。Raman Lidarにより、水蒸気と気温データが降雨予測精度改善に貢献することを証明し、Raman Lidar同等の水蒸気・気温観測能力を持つよりコンパクトでO&M負担の少ないDIAL開発を加速させ、実用化を図る戦略を実行中です。

 

 

今後の展望

 

弊社は、昨年度の下甑島での観測データに加え、今年度は福江島・下甑島 2島での観測態勢で降雨期の水蒸気・気温データ観測と解析を積み重ねます。LIDAR技術の有効活用により、気象予測や線状降水帯発生予測率の抜本的改善による、防災・減災への貢献を通じて、持続可能な社会の実現に寄与してまいります。

本プロジェクトの続報にもぜひご注目ください。

 

 

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