リモートセンシングにおけるグラウンドツルース
分光放射計を用いて計測した地上データによって、衛星データの補正に用いられます。
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グラウンドツルース
任意の物体からの放射・散乱などのリモートセンシングデータを解析評価し、それらの物体を認定するために、それらの物体の現場測定データと比較してリモートセンシングデータを補正する必要があります。この現場測定をグラウンドトルースと呼びます。言い換えると地表面の反射光のスペクトルについて地上データで衛星データを校正することです。
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補正
衛星によって取得した衛星データを下向き分光放射計で測定したデータで補正する。
・衛星データを大気状態などで補正する。
・補正係数(校正係数) (I) = 地上データ ( I9÷補正済み衛星データ (I)
I:350~1050nm
・校正済み衛星データ (I) = 補正済み衛星データ (I) ×校正係数 (I)
利用できる測器
・MS-711
・MS-712
・MS-720
参考:植物の分光反射特性と植生指数
可視・反射赤外リモートセンシングでは、対象物のスペクトル毎の反射率を計測する。このスペクトル毎の反射率のことを分光反射特性という。
植物、水、土ではそれぞれ異なった分光反射特性を持つ。
植物は、光合成色素の働きで可視光を効率的に吸収すると共に、近赤外光を反射する特性を持つ。
リモートセンシングを用いた植生モニタリングでは、このような特徴を利用してNDVI(正規化植生指数)という指標が広く用いられている。
NDVIは近赤外光(IRと赤外光(R)を用いて以下のように表される。
NDVI=IR-R/IR+R
IR:衛星データ(近赤外光)の反射率
R:衛星データ(赤外光)の反射率
NDVI:-1~+1
NDVIは植物の有無や量の指標となるだけでなく、活性度の指標としても用いられる。
ストレスを受けた植物は近赤外域の光を効率的に反射しなくなるのでNDVIは低下する。