高性能薄層クロマトグラフィー(HPTLC)とは

高性能薄層クロマトグラフィー(HPTLC)は、HPTLCプレートを使用するだけではなく、メソッドの標準化や検証方法の確立により、再現性と定量性の向上が期待できる分析手法です。従来の薄層クロマトグラフィー(TLC)は手動で行われることが多いですが、HPTLCでは各工程に適した専用の機器を使用します。また HPTLCプレートは従来のTLCプレートに比べて細かな粒子径のシリカを使用しており、スポットやバンドの分離がより優れています。
塗布工程では装置上で狭い直線のバンド状に塗布することができるため、スポット状の塗布よりも高い分離を得ることが出来ます。さらに展開工程では、湿度コントロール機能を備えた自動展開槽を使用することで、季節や環境による湿度の影響を受けることなく安定した展開を実現します。検出工程では走査装置を使用し、紫外線、可視光等の励起光による吸収を薄層板上で測定し、その展開パターンをクロマトグラムとして記録・保存します。加えて、塗布および展開されたプレートから得られるスペクトルデータは、定量分析にも利用することができます。これにより、HPTLCは信頼性の高い分析手法として広く用いられています。
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