エアロゾル(ナノ粒子)の粒子サイズ分布評価

大気中には、大小様々な粒子が浮遊しており(1nm〜100μm)、これらの浮遊粒子はエアロゾルと呼ばれています。エアロゾルは、呼吸により人体に取り込まれる際に、比較的大きな粒子(10μm以上)は上部軌道に付着し、小さな粒子(1−10μm)は下部気道から肺にまで達します。さらに小さいナノ粒子は肺の奥深く肺胞にまで達すると言われています。このようにエアロゾルは、粒子サイズが小さいほど、人体の奥深くにまで達することから、ナノ粒子の健康への影響が懸念されています。

粒子数、粒子径の計測

室内や屋外での大気に存在するエアロゾルの粒子数や粒子サイズの計測は、光学測定機によるものが広く使用されているが、光学測定では原理上数百nm以下の粒子を捉えることはできません。PALAS社のU―SMPSは、DMAと呼ばれる静電分級器により、4nmからの1200nmの粒子を分級し、CPCと呼ばれる凝縮粒子カウンターで分級された粒子をカウントします。DMAでの分級サイズを変えることにより、ナノ粒子の粒度分布を測定することが可能です

アプリケーション

  • 1

    屋外大気中に浮遊しているナノ粒子は、自動車や飛行機、船舶の排気ガス、工場の煤煙などから発生し、呼吸により人体に取り込まれ健康被害を及ぼす可能性があります。また、上空では凝結核となり、雨や霧の発生に寄与することにより、気象現象に影響を及ぼします。 屋外でのナノ粒子の観測を行うことにより、大気環境の状態を評価することができます。

  • 2

    オフィスや工場では、プリンターやポンプなどの機械の稼働により様々な物質のエアロゾルが発生します。エアロゾルの発生源の特定や人体への影響、ディスプレイや半導体など精密な製品の製造工程への影響を検討する上で、ナノ粒子の粒度分布測定結果から浮遊している粒子の量だけでなく、発生起源を特定への手がかりとなります。

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